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女性と子どもの健康

このコーナーでは、女性と子どもの健康にスポットあて、京都の医院や健康情報を紹介します!

女性と子どもの健康2
もっと知りたい妊娠・出産・育児
増える二人目不妊~ストレスのない不妊治療を
足立病院 生殖内分泌医療センター長
中山貴弘先生

不妊の原因は、女性の側にある場合が4割、男性側が4割、両方が1割、原因が分からない場合が1割だと言われています。結婚年齢が年々高くなっての高齢出産の増加や、卵子の老化による妊娠率の低下など、現在の妊娠・出産にまつわる厳しい現状の中、二人目不妊のカップルも増えています。

そんな中、夫婦が不妊治療についての正しい情報を知っておくことがますます重要になってきました。治療実績が日本国内でも高く、利用者がどんどん増す足立病院の生殖内分泌医療センター長である中山貴弘先生は、不妊治療に日々取り組む熱い人。現在の不妊治療の課題とその解決に向けて、語ってもらいました。

増える二人目不妊

40歳を超えての妊娠が増えている現状がありますが、元々人間は動物とは違って妊娠しにくいのです。一人目ができたから二人目がすっとできるとは限りません。不妊症というのは、発症するものと私は考えています。高血圧でも発症は突然ですが、不妊症も一人目を生んだ後で発症するものと考えてもらったほうが治療のタイミングを逃さないと思います。しかし二人目不妊の場合は背中を押す人がいないのではないかと危惧しています。昔なら「子どもを作りなさい」と言う人もいましたが、今はいたずらに「子どもはいつ産むの」など口に出すと、傷つけてしまうから言わない風潮があります。

社会的な問題も大きいと思います。「大変だし、まあいいか、一人でも」と思ってしまいがちで、本人たちの気持ちを前向きに押すものがありません。行政がばっちりサポートするというのなら、二人目を考える人も増えるかもしれませんが、現状として子どもはほしいけど、作るのを止めている人が多いと思うのです。それを何とかしないといけないと痛切に感じます。

特に、仕事を休まずに治療を受けられることが大切ではないでしょうか。仕事を休んで治療に来るというのは大きなストレスで、それだけで妊娠しにくくなるかも知れません。女性は自己防衛機能があって、ストレスがあると月経も止まって排卵も止まる、もちろん妊娠しない、できない。妊娠してもストレスがあると流産してしまうことがあります。それはストレスがある中でお腹が大きくなったら大変だと身体が判断しているからなのです。

ストレスを取り除く

排卵する卵子が作られる過程をご存じでしょうか?卵巣がいきなり作り始めるわけではありません。月経になると脳の中枢である視床下部からホルモンが出始めて、卵が発育し、約2週間すると排卵がおこります。視床下部のすぐ横にはストレスを感じる中枢がありますが、ストレスがあったら、指令を送って、すぐに排卵を止めてしまうことになります。

一人目の子育てが大変でストレスを感じてしまうと、排卵なども止まってしまいます。そう考えると、やはり不妊症というのは発症すると言えます。一人目とは違うのです。血圧もストレスを感じると高くなるでしょう。それと同じです。だから家庭内において、夫の妻に対するサポートはとても大切で必要なことなのです。

われわれも、精神的なストレスをかけない治療の重要性をますます感じる中で、仕事を休んで治療に来るのが大変である患者さんのストレスにどう寄り添うかを常に考えています。来たいのに予約を取れずに、治療を1カ月休んでしまうなどということを防ぎたいと思い、できるだけ治療時に医師がその場で予約を取るようにしました。そして来院自体がストレスになることがないように、スタッフ一同接遇マナーには気を配っています。また、夜診を充実させ、医師を増やし、祝日診療も実施する体制をつくっています。

40歳代の妊娠

患者さんも40歳代の方が増えています。40歳代の方は、体の調子も仕事も心もハードでないというすべてがそろわないと、妊娠が難しい。それを達成するためには、一般治療だけでなく、環境作りなどプラスアルファが必要です。現実に、治療をやめたら妊娠する人が多い事実があるのは、治療全体がストレスになっているから。不妊治療に来るために会社に頭を下げ、時間や休みをやりくりすることに労を使い、それが大きなストレスになること自体が、妊娠率を下げ、ひいては社会的にも損失になると思います。

妊娠率がアップするためには、患者さんに自然体で不妊治療に取り組んでいただくことが大切です。何よりも患者さんのストレスフリーを目指し、常に、より良い不妊治療は何かを考え、追求していくのが私たちの役目です。

不妊症とは?

一般には、結婚あるいは同居後1年たって妊娠が成立しなかったときに、不妊症の疑いが出てきます。女性の場合は、月経周期の異常、月経量や期間の異常、月経にともなう症状の異常や、性感染症・骨盤腹膜炎の罹患歴がある、以前に子宮筋腫・子宮内膜症を指摘されている場合、そして年齢が35歳以上の場合は、早く病院に行く方が望ましいです。
男性側の不妊のリスク因子としては、精子をつくる力が極端に減っている場合があります。まず小児期にヘルニアの手術や、停留睾丸の手術を受けている場合、おたふく風邪に罹患したあと、高熱が続いたり、睾丸炎を起こした既往がある場合、子どもの頃にがん等の治療を受けている場合。そして成人期に糖尿病の既往歴、あるいは病気がある場合には、念のため早めに泌尿器科・あるいは産婦人科で精液検査を受けておいた方がよいでしょう。
日本生殖医学会のサイトより)

精子全体像

不妊治療について

Ⅰ 保険適用されている不妊治療
①排卵誘発剤などの薬物療法、②卵管疎通障害に対する卵管通気法、卵管形成術、③精管機能障害に対する精管形成術
1.人工授精
精液を注入器を用いて直接子宮腔に注入し、妊娠を図る方法。夫側の精液の異常、性交障害等の場合に用いられる。精子提供者の種類によって、(1)配偶者間人工授精(AIH)
(2)非配偶者間人工授精(AID)に分類される。
2.体外受精
体外受精には・IVF‐ET(体外受精‐胚移植)・ICSI(顕微授精。卵細胞質内精子注入法)
といった方法がある。
厚生労働省のサイトより)

中山貴弘(なかやま たかひろ)先生

生殖医療指導医。日本産科婦人科学会認定専門医。日本受精着床学会評議員。京都大学医学部非常勤講師。
1985年愛媛大学医学部卒業。1987年国立大阪病院(現大阪医療センター)産婦人科勤務。1995年京都大学医学部産婦人科助手、京都大学付属病院生 殖補助医療主任。1999年京都大学医学部産婦人科講師(生殖医学)。2003年財団法人今井会足立病院不妊治療センター長。2010年同病院生殖内分泌 医療センター長。

足立病院の体制

男性不妊治療については、生殖内分泌医療センターと同じシンフォニア御池で開業するいちおか泌尿器科クリニックとしっかりと連携。シンフォニア御池2階に不妊外来、3階には採卵室、培養室フロア「高度生殖医療ユニット」があり、胚培養士は14名。
生殖医療相談士資格を持つ看護師が、不妊治療について実家の両親や友人も含め周りに相談がしにくい、注射が痛く何度もしないといけないつらさ、人工授精や体外受精の結果についての心配など、様々な相談にのっています。

生殖医療相談士の相談体制
・相談時間はお一人 1時間 相談料は無料

足立病院 生殖内分泌医療センター

京都市中京区東洞院通り二条下ル
京都メディカルガーデン
シンフォニア御池2F
TEL 075-253-1382

足立病院

京都市中京区東洞院通二条下ル
TEL 075-221-7431

 

女性と子どもの健康1
産婦人科 心療内科・精神科 内科
嵯峨嵐山・田中クリニック

「嵯峨嵐山・田中クリニック」は、産婦人科、心療内科・精神科、内科の診察を行う、女性の体と心のトータルケアができるクリニックです。

また、院長の田中啓一先生が行っている「誕生死セミナー」という、子どもを亡くした家族にも寄り添う活動は、産婦人科医からも賞賛の声が上がるほど。全国的にもまれな取り組みです。

今回は、そんな「嵯峨嵐山・田中クリニック」をご紹介します。

セミオープンシステム

ステンドグラスのドアを開けると、木のぬくもりを感じさせる待合室。こじんまりした医院に入院設備はなく、出産は提携先の右京区西院にある宮元産婦人科(本誌7号に取材記事掲載)へと受け継ぐセミオープンシステムをとっています。お腹が大きくなるにつれ、毎回の健診に通うのも大変になってくるもの。妊婦健診は地域の医院でゆったりと受け、出産は設備の整っている提携先の病院でというこのシステムは、妊婦さんに優しい形として最近広がりつつあります。特に健診と出産と異なる医院を予定している里帰り出産にはおすすめで、実際そのような妊婦さんは多いとのこと。いざ出産のときも田中啓一院長が出来る限り駆けつけてくれ、他にも何か不調が見つかった場合、総合病院とも提携しているので安心です。

心療内科も兼ね備えて

診察室は診察台が一つの個室。大きな病院のカーテンの向こうにまた別の患者さんがいるのとは違い、話し声が他の人に聞こえることを気にすることもありません。置いてある机も小さなダイニングテーブルのようで、とても落ち着いた雰囲気です。そこで迎えてくれる田中院長の笑顔はいやし系。それもそのはず、この医院は産婦人科だけでなく、心療内科も兼ね備えた「思春期から更年期まで、女性の生涯を通してのホームドクター」になっています。特に女性はホルモンのバランスの周期的な変化や、結婚、出産、子育てなどの環境の変化にともなって体や心の不調が出やすいもの。「婦人科や内科で受診した患者さんで、お話を聞いているうちにメンタル的なお薬を処方したこともあります」と院長。院内処方なので、心理的につらいときには改めて薬局にいかなくても良いのは助かります。

地域に根付いた医療を、との考えで内科も併設。インフルエンザの予防接種は母と子、兄弟など複数になると割引になるのもうれしいです。

産後のお母さんたちの交流の場として育児サークルも開催。助産師さんと共に赤ちゃん体操、おっぱいマッサージ、育児や産後の悩みの相談場所にもなっています。

クリニックで重点的に取り組んでいること

妊娠と薬

「いろんな薬を飲んでるけれど、妊娠しても大丈夫なの?」とか、「妊娠中に薬を飲めるだろうか」と迷んだり、産後に薬が飲めるか困ってしまうことはよくおこります。インターネットを調べても、ほとんどが怖い話ばかり。やはり専門的な情報が重要になってきます。このような疑問に答えるため、妊娠中や産後、授乳中のお薬の相談を受け付け、アドバイスをしています。

3D、4Dエコー

3D、4D(動く画像)のエコー診断を、月1回、20分間の枠を設けて行っています。普段の診察とは別に、独立した時間で取ることができ、ゆっくりと受けることができます。よりクリアな画像で、障がい、奇形の有無などを調べられます。画像は、持参されたUSBに保存し、持ち帰ることが可能です。(診断料5000円)

予防接種

予防接種を重点項目のひとつにあげ、女性だけでなく、子どもの予防接種も行っています。子どもの予防接種には定期接種と任意接種の2種類があります。任意接種は、B型肝炎ワクチン(1回2,000円)、
おたふくかぜワクチン、水痘ワクチン(みずぼうそうワクチン)、ロタウィルスワクチン、インフルエンザワクチンです。できる限り、任意接種の5種類も受けてほしいワクチンということです。
(任意接種をまとめて予約をされた方には、接種料割引あり)

誕生死セミナー

流産は意外と多く、死産もまれではありません。とてもつらい体験です。このようなときに、体験者の方をどのように援助するか、体験者の話を聞きながら学ぶ、「誕生死セミナー」を開催しています。体験者の方々、医療従事者も参加できるスタイルで、多くのボランティアの協力のもと運営している、全国でもまれな取り組みです。

田中院長は、「亡くなってもあかちゃんが大切にされるケアが広がってほしい」と考えています。クリニックでは、流産・死産・新生児死を経験された方のための、「体験者の集い」も行っています。 

予約、問い合わせ

 

嵯峨嵐山 田中クリニック
院長:産婦人科医・精神科医 田中 啓一
〒616-8421 京都市右京区嵯峨釈迦堂門前瀬戸川町4-8
TEL075-873-2925
FAX075-873-2926
http://sagaarashiyama-tanakaclinic.com


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