「離乳食を作らなきゃ!」「あぁ、ゆっくりしたいのにお皿をまだ洗っていない…」
今年小学校3年生の長男、我が家のあっちゃんのセリフである。
インコがわが家へやって来た。
彼の朝のルーティーンは決まっている。
朝は6時に起床。まずは顔を洗い服を着替える。
朝食ができるのを心待ちに、ゆっくり読書を楽しむ。
朝食ができあがったら、テレビのニュースをつけ最近のニュースを一通りチェックする。
さて、そんな彼の生活スタイルが一変したのは「インコがわが家へやってきた」からである。
その名も「ホワイト」。
小学校1年生の国語の時間に「インコのお世話の仕方」を習った彼は「インコを飼いたい!」と、私にお願いしてきた。
妹のえちゃまん(仮名)はまだ年中さん。精神的にも金銭的にも余裕がなかった。
「お世話も全部自分でするから!本でちゃんと調べるから!」という彼のお願いに「ママが働きだしたら!」と約束をした。
その頃には妹も1年生になっているはずだ。
ペットセラピーという言葉もあるし。
そして時は流れ、私の就職が無事に決まった。
働きだして生活が一変するのを機にインコ購入へ踏み込んだのが、あっちゃんが3年生の夏。
肩乗りインコに憧れていたあっちゃん。
夫の調べによると、離乳食期から飼い始めた方が人に懐いてくれるらしい。
ペットショップから連れ帰ったインコは真っ白な毛に青のラインがお腹に一筋入った大人しく優しいインコ。「ホワイト」と命名したのは、もちろん飼い主のあっちゃんである。
ホワイトのいる日常
お世話をするために朝は5時半に起床。「もうこんな時間か。」とため息をつきながら出社(学校へ登校)。慣れない会社(学童)から帰宅して、至福ののんびりゲームタイムのはずが、あぁ今日もインコのお世話。
「疲れるわ~!」わが家のあっちゃんのため息が今夜も聞こえる。
1カ月が過ぎ、離乳食から幼児食へ。準備と片付けが格段と楽になりホワイトのお世話にも慣れてきたこの頃。
お風呂も一緒に(一人だと怖いけど、ホワイトも一緒なら平気)入り、寝るときは鳥かごと共に寝室へ。
もちろん朝は鳥かごを運びながら起きてくる。
慌ただしいながらも幸せな日々。
そんなときに、事件は起きた。
ホワイトの家出
それは夏も終わりの夕刻頃。
その日は友人宅へ子どもたちと遊びに出かけていた。
夫はというと、一人家でのんびり。さぞかし機嫌よかろうと帰宅し、押した玄関のチャイム。
ドアから出てきた夫の顔は蒼白。
「ホワイトが逃げた…」
頭の中ではホワイトとの日々が走馬灯のように駆け巡っているが、騒ぎたいのをぐっとこらえ、子どもたちに衝撃を与えぬようとりあえず日常をこなすことに専念しようと心に決め、家の中へ。
穏やかに夫への事情徴収開始。
「ホワイトを肩に乗せたまま、うっかり来客時に外へ出たら…。」
ホワイトは大人しく慎重な性格であまり遠くまで飛べない。
実は私も気分転換にと玄関先まで連れ出たことがあった。
しかし時折、外の鳥をじっと見つめ、他の鳥と鳴き声を交し合っていたのも知っていた。
家の裏で鳥の群れの鳴き声が聞こえ、そちらに飛んで行ったと聞き、お友達が欲しかったのかな…と。
飲まず食わず、双眼鏡を片手に3時間外を探し回った夫の様子に「どうして逃がしたんだ!」と、子どもたちは責めなかった。
もちろん、私も探しに出かけたが見つけられず…。
その夜、えちゃまんは熱を出した。
つづく

※インコの水浴びは「常温」でします。インコの羽根には油分があり、水を弾く役割があるためシャンプーなども使用しません。
わが家でお風呂に連れ入っていた時期が夏だったこと、止まり木にとまってあっちゃんの側で入浴を見守るスタイルで、一緒に湯船に浸かっていたわけではありません。
怖がりで少しおっちょこちょいなホワイトは、誤って湯船に落ちてしまったことがあり、それ以来お風呂にはついてこなくなりました。2人の子どもと1匹で入浴中だったため、3人がかりで「すぐさま」救出しました。当のホワイトはぼーぜんとしており、人もインコも驚いた顔は同じだなと思いました。
ちなみに現在の定番水浴び場はキッチンです。
緩めの流水シャワーモードの浄水で、人の手(主に私)に乗りながら水浴びを楽しんでいます。
喉が渇いたとき、水浴びしたいときは私の肩に乗って来ます。当時は頭だけ水でさっとぬらしていたのが、今では手のひらの上に溜まった水にダイブするようになりました。
水を張った容器には目もくれません…。
「水浴びは一緒に!」がホワイトのポリシーのようです。
(独自のポリシーを持っている、あっちゃんとホワイト。性格がそっくりです。)
ライタープロフィール:めたせこいあ
小学校4年生(男の子)2年生(女の子)の二児の母。「人生って楽しい!」と思える子に育って欲しいと日々奮闘中。ゆる~くおおらかな育児に憧れるも色々気になる…大雑把な気にしい。おふぃすパワーアップではスタッフPとして勤務中。