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あぁ、あこがれの完全母乳~陥没乳頭ママの授乳生活~

助産師さんの一言で楽しみなはずの出産が

「あらーこのおっぱいは親子ともに苦労するわねぇ」
出産を間近に控えた9年前。産院主催の母親学級で言われた助産師さんの一言は、苦難の授乳生活を予言するものでした。

そこで初めて自分自身が陥没乳頭であることを教えられ、それによって赤ちゃんはうまく母乳が吸えず、練習が必要になると思うと言われました。とは言っても産まれてこないとどうなるものでもなく、何となく不安なまま出産を迎えました。

幸い息子は元気に産まれてきてくれ、2日目から授乳がスタート。初めのうちは乳頭保護器なるものをおっぱいにかぶせ、それを息子は吸ってくれていました。しかし、出口のない私のおっぱいは中で母乳がたまり、岩のような硬さに。痛くて仕方ないうえに、そんなカチコチの何も出ないビニールの乳頭を息子は完全に拒否するようになっていきました。

赤ちゃんがおっぱいを拒否するなんてこと、想像もしていなかった私は非常にショックを受け、何とか飲んでもらおうと小さなわが子の頭を押し付けるようにして授乳するように。しかし、退院するころにはおっぱいに近づけることすらできないような状況になっていました。

実家に帰ると、母が母乳マッサージの方を呼んでくれていて、そこからはその方との二人三脚の授乳生活が始まりました。泣き叫ぶ息子をなだめながら、おっぱいにとにかく食いついてもらい、陥没している乳頭を吸ってもらわないといけません。何日もかかって、ようやく吸い付いてくれた時には、涙が出るほどうれしいものでした。

それからも、少しでもおっぱいの状態が悪いと拒否されるので、毎回の授乳が非常に緊張する時間に。普通なら授乳時間は母子のリラックスできる時間であるはずなのに、なんで私だけとひがんでいる時もありました。それでも、何とか10カ月まで混合栄養で乗り切りました。

二人目長女誕生!さらに大変な授乳生活

長男が1歳7カ月になるころ、長女が誕生しました。長男の時を思い出して、早めに母乳マッサージの方に来てもらい訓練を始めることに。しかし、女の子なのもあって吸う力が弱く、長男以上に母乳を拒否。疲れ果てて行き着いた先は、搾乳でした。

そこから1歳のお誕生日まで、3時間ごとの搾乳をし、長女には哺乳瓶でミルクをあげ、ギャングエイジ2歳の長男の相手もし、と今となっては何をしていたのか全く思い出せない1年間を過ごしました。

次男誕生!またも前途多難な授乳生活

しかし!長女が3歳の時に次男が誕生。今度こそ完全母乳!と意気込んだものの、やはり新生児は力が弱く、最初は全く母乳が飲めませんでした。

長女の時と同じように搾乳もしていましたが、上の二人が幼稚園に行っているのもあって、行事や用事で外出しないわけにもいかず、搾乳生活にも限界を感じていました。
しかし、6カ月を過ぎた頃、もともと甘えたな次男はおっぱいの時間は母親に抱っこしてもらえる、と気付いたのか、自らおっぱいを飲むように。三人目にして初めて搾乳なしミルクなし、母乳だけの生活になりました。

そこから結局次男は2歳半までおっぱいから離れられず、これまた断乳で苦労することになりました。

三男誕生!完全母乳じゃなくても、健康!?

次男が3歳になった頃、三男が誕生。もう、完全母乳には諦めもついていたので、すぐに三男はたまにおっぱい、時間があれば搾乳、基本はミルク。という生活パターンができあがりました。

4人の子どもそれぞれが違う授乳パターンで、母乳が多かった次男以外は、基本ミルクで育っている我が家の子どもたち。世間では母乳が最良の栄養と言われることも多く、私のようにどうしても母乳があげられない母親は、母親失格のレッテルを貼られてようで、悩むことも多いと思います。

しかし、大きくなってくると健康状態にも全く違いはなく、むしろ母乳がメインだった次男は体も小さく、病気も一番多いような気がします。暗中模索して行き着いた答えは、ママが楽な方法が一番!ということです。もし、今母乳で悩んでいる方がいらっしゃったら、私はこう声をかけてあげたいと思います。


ライタープロフィール:えーまま
4人の子育てに奮闘する毎日の中、なんとか自分の時間を見つけようといろいろと首を突っ込んで楽しんでいる、いつまでも落ち着きのないママです。